2024年 第3回企画展のご案内
開館30周年 陶芸三代 唐九郎・重高・高宏

2024年10月2日(水)~12月22日(日)

「『かまぐれ』とはおよそ『はぐれ者の焼物師』、つまり地位や名誉はないが何かの支配下にならず、風のように自由な陶工、くらいの意味らしい。」

(窯ぐれ三代展より 加藤高宏)

唐九郎の孫高宏氏は、三代目として祖父の作品を近くで見、父の仕事を肌で感じながら成長しました。やりたいことをやってきたまで、と客観的に自己を見たうえで「何を残し何を捨てることが普遍であるか」をさぐります。

駒形は、重高氏の窯で20代の高宏氏に出会い、可能性を見出しました。近年彼が開いた個展のカタログには祖父の面影のある作品、桃山期を彷彿とさせるもの、現代的なものと多彩な作品が並んでいます。

時代背景と個性、焼物師としての血を感じさせる唐九郎、重高、高宏の作品をゆっくりご覧ください。

加藤唐九郎
《黒織部茶碗 銘草堂》
1940年頃

写真

駒形が画廊で見つけたこの茶碗は「桃山前期のもの」と言われていました。しかし直接唐九郎に見せたところ「わしの作品だ」と即答されます。それほど彼は桃山時代の技術を自分のものにしていたのです。

轆轤で挽きその後に手で沓形に変形させる。そのため、底は円形で口縁は三角で少し外に反っています。艶のある黒釉を掛けはずし、そこに庵の屋根を思わせる模様を描く。どこまでを計算して作ったのでしょう。造りは薄く、手の中にすっぽり収まる楽しい茶碗です。

加藤重高
《志野茶碗 銘 好日》

重高氏が初めて銘を付けた茶碗です。箱書は唐九郎の筆で一無才記と書かれています。典型的な半筒型の茶碗で高台は低く重心が下にある茶碗ですが、風になびく植物がさらりと描かれ軽快な感じのする茶碗です。

作品リスト

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