黄瀬戸鉢

加藤唐九郎 作品

黄瀬戸鉢
1982年5月の作である。この年5月17日から東京で「唐九郎の世界」展が日本経済新聞社の主催で催されたが、その時にこの鉢と同様の作振りのものが初めて出品された。
作者に聞いたところでは10点ほど同様のものを窯詰めしたとのことであるから、この鉢もその一つであろう。
私はこの手の黄瀬戸の鉢は唐九郎生涯の代表作として高く評価している。
桃山の黄瀬戸の再現に永年取組んできた作者が、桃山の心を内に体しつつ自由なこころで黄瀬戸輪花鉢に挑んだもので、ここでは桃山の黄瀬戸に対する拘泥は念頭になく、独自の風を求めて力強く奔放に輪花の大鉢をイメージして成功している。(林屋晴三)
(駒形十吉(編)『加藤唐九郎』長岡:駒形十吉記念美術館、1994年)

【制作年】
1982(昭和57)年
【寸法(cm)】
高10.3 口径31.0cm

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