2023年 第3回展のご案内
茶の湯を楽しむ

2023年9月30日(土)~12月17日(日)

金重 素山 《伊部茶入》

金重 素山 《伊部茶入》

金重素山 伊部茶入茶道は「総合芸術と言われ、日本の伝統文化を代表するもので、その精神は、禅宗の考え方に基づいています。」

などと言われると、なんだか面倒そう、難しそうと思ってしまいます。

日本を代表するグラフィックデザイナー田中一光氏は、「知性と感性を誇りとする最も新しい感覚の遊び」であり「さまざまな領域の美の融合を演出できる世界」であり「茶会は環境全体がインスタレーションであり、茶事はパフォーマンス」と言います。殆ど現代アートではないですか?

難しく考えずにぜひこの不思議の世界を体験してみましょう。

今回はお茶会の形式で作品を展示いたしました。

茶会とは客をもてなして「一座建立(こんりゅう)」を楽しみ、主客が直心の交わりをもつこと。そのため道具の取り合わせやお料理の仕立てに、亭主の個性が表徴されます。

茶会に招待されと思ってぜひ作品をご覧ください。
會津八一 《牡丹一日》

『續燈録』等に「松柏千年青。不入時人意。牡丹一日紅。滿城公子醉。」(松柏千年の青、時の人の意に入らず。牡丹一日の紅、満城の公子酔う。)とあります。
松柏の千年常に変わらぬ青は、世の人々には気に入らない。牡丹の一時の艶やかな花に、満都の貴公子達は酔いしれる。表層の現象のみに心を奪われるということ、華やかな牡丹と常緑樹を比べ、八一自身を振り返ったのでしょうか。


清水卯一 《青瓷茶盌》

青磁、あるいは青瓷と呼ばれる青い釉面に氷の結晶のような貫入が層をなすように無数に入った美しい茶碗です。
貫入とは、素地と釉薬の収縮率が異なるために窯から出して冷える際に生じるひび割れのことで、古くから陶磁器の見どころの一つとされてきました。卯一は予期せぬ結果を生む素材と技法とを使った制作に魅力を感じたのでしょう。


作品リスト

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