2020年 第1回企画展 -村上華岳没後80年 山を聴く-

2020年3月14日(土)~5月31日(日)

一昨年亡くなられた女優樹木希林さんの枕元には村上華岳の《太子樹下禅那》が掛けられていました。若き日の釈迦が座禅する姿を描いた作品です。彼女はこの作品に見守られ旅立ったと聞きます。癌になってから彼女は、京都に行くと必ずこの仏画に向き合い死と孤独について考えていたそうです。

 当館のコレクションの多くは、華岳が喘息の発作に悩まされ始めた30代以降の山水画。彼は京都から神戸へ居を移し、世間そして画壇から離れ静かな環境で修道僧のように画の制作に励みます。それは華岳をより精神的な高みに至る道を歩ませることとなりました。六甲の山に入り山の声を聴く、そして写実ではない象徴としての山が多く描かれました。しかし1939年喘息のため死去、享年51歳でした。

《夏木蒼涼之図》

《水墨牡丹之図》 1930年》

「華岳はものを写しながら『死んでしまった型』を写すのではなく、移ろい続ける生の実相を凝視していた。生命は滅び転生する。生と死の複雑な相を、華岳の風景画(ことに山岳画)ほど見事に捉えたものを私は知らない」

武満徹(作曲家)

「近代の画家の中で、私が最も注目し、深く尊敬している画家である。私が日本画を考え、さらに東洋絵画を想うとき、まず指標としてあれこれ思い出すのは村上華岳の作品である。」 

加山又造

当館ならではの特別展示としまして、華岳と又造の牡丹図を並べて展示いたします。日本画家なら、描いてみたいと思う墨牡丹。ゆっくりご覧ください。

また興味深い事に、駒形氏は華岳作品を数点模写しています。懇意だった画廊主は「うまく描こうなんて思ってはいなかった。作家がどんな気持ちで描いたのか知りたかったのだろう。」と言います。それは、駒形氏の華岳への限りない愛と畏敬の表象なのではないでしょうか。

同時展示   樂15代の仕事

昨年、15代樂吉左衛門が隠居され、直入となられました。伝統と革新を常に創作に込めた茶碗をご覧ください。

樂15代 直入

《黒楽茶碗》

 

作品リスト

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